住宅ローンを利用して住宅購入したい方は、実際の手続きや必要になるものについてはご存知でしょうか。物件を決めた後に慌てて準備しなくても良いように、事前に確認しておきましょう。

事前審査（仮審査）

住宅購入のための物件が決まったら、最初に事前審査を行います。
不動産会社には金融機関の事前審査書類を備えていることが多いので、買主は自分で用意する必要はありません。

主な記入事項は、氏名等の基本情報・勤務先・年収・預貯金額・借入状況等の個人情報や、当該物件の面積・構造等の物件に関わる部分、そして借入金額・返済年数・ボーナス返済の有無・付帯保険（団信）の選択等の資金計画に関わる部分です。

事前審査で記入した借入状況をもとに本審査に進みますので、事前審査を通過した後に物件の変更や資金計画の変更がある場合は、改めて審査をし直す必要があります。

この段階で資金計画の枠組みを決めておく必要があるため、資金について全く検討できていない場合は、物件決定前後には不動産会社の営業担当と相談してみてください。

【必要なものの例】
・事前審査書類
・認印
・運転免許証またはパスポートの写し（両面必須の場合が多い）
・健康保険証の写し（両面必須の場合が多い）
・前年分の源泉徴収票
　→自営業の方は、確定申告書（直近3年分の場合が多い）
・物件資料

会社員の方は、最低でも1年間勤務していないと事前審査を受け付けてもらえない場合がほとんどですので、転職と住宅購入のタイミングには要注意です。

事前審査は金融機関に提出して、3日～1週間程度で審査結果が出ます。
事前審査通過のコツについては、こちらもご覧ください。
→「事前審査はちょっと待って！住宅ローンに通過するためのポイント」

本審査

事前審査に無事通過し、物件の売買契約が終わったら、次は本審査に進みます。
本審査では、事前審査内容と同じ条件で書類を提出します。物件の売買契約書や同時にリフォーム等の工事を行う場合の請負契約書等、この日までに揃えるものが増えますので、営業担当とスケジュールを照らし合わせながらよく確認して進めましょう。

【必要なものの例】
・本審査書類
・団体信用生命保険申込書兼告知書
・預金通帳
・実印
・住民票
・印鑑証明書
・課税証明書（住民税決定通知書）
・源泉徴収票
・運転免許証またはパスポート
・健康保険証
・不動産売買契約書
・重要事項説明書
・不動産登記事項証明書
・リフォーム等工事を行う場合は請負契約書（見積書でも可能な場合もある）

上記のほかに、所得合算の場合ではさらに合算者の書類が必要になります。

本審査は保証会社の審査も含まれるため、審査結果が出るまで2～3週間程度の時間がかかります。事前審査を通過していることが前提のため、審査に通過することがほとんどではありますが、事前審査時に記載していなかったことが発覚した場合など、稀に否認の結果が出る場合もあります。特に借入状況など、金融機関の調査では明るみに出てしまいますので、事前審査時にきちんと申告して資金計画を進めましょう。

金銭消費貸借契約

金消契約と略される金銭消費貸借契約は、金融機関と借主の間で結ぶローンの契約を指します。

【必要なものの例】
・返済用口座の通帳
・実印
・銀行印
・住民票
・印鑑証明書
・源泉徴収票
・運転免許証またはパスポート
・健康保険証

融資実行・残代金決済（引渡し）

決済日は、ローンの実行を行って買主の口座に借入金が入り、そこから物件の残代金（頭金を省いた額）を売主に支払います。同時に所有権移転登記を行い、所有権が買主に移れば鍵の引渡しとなります。

この日は、売主・買主・司法書士・銀行の担当者・不動産会社の仲介担当者（売主側・買主側双方の場合も）が一同に会するため、大所帯となります。

また、銀行の営業時間である“平日午後3時までに”買主から売主への残代金の支払いを確認する必要があるため、平日の午前中から開始することがほとんどです。売主も買主も、予め仕事等の日程の調整する必要がありますのでご注意を。

【必要なものの例】
・返済用口座の通帳
・実印
・銀行印
・運転免許証またはパスポート

まとめ

住宅ローンの流れは掴めたでしょうか。
上記はあくまでも一例であり、物件や個人の状況によって準備するものが異なるため、仲介の不動産会社の担当者や、金融機関の担当者に都度確認しましょう。

また、スムーズな手続きには無理のない資金計画を立て、問題なく審査に通過することが近道です。資金計画についてはこちらもご覧ください。
→「不動産のプロが教える失敗しない資金計画！」