《単身女性の住宅購入》 3つのタイミングを逃さないで!
単身の方が増えている現在では、一人暮らし用の家を購入する方が少なくありません。
特に単身女性をターゲットとした新築マンションがリリースされるなど、単身女性が家を持つことも珍しくなくなりました。
しかし、ライフスタイルが大きく変わる可能性が高い女性が住宅購入を考えた場合、「タイミングに迷ってしまい、なんとなく年数を重ねてしまう」という声も聞きます。
今回は、単身の女性が住宅を購入するのに適したタイミングについて、不動産会社に勤めるアラサー女性スタッフの視点を交えてご紹介します。
目次
単身女性が住宅購入する理由は?
2022年にリクルートが実施した「首都圏の新築マンション契約者」を対象とした調査によると、単身世帯女性が住宅購入を考える理由として「資産を持ちたい」「老後の安心のため」「今の住居費が高い」が上位3位に挙がりました。
まずはこの3つに対して、前提を整理していきます。
1. 資産を持ちたいから
そもそも賃貸物件はオーナー(家主)の資産を借りて住むので、オーナーの資産に家賃を払っていることになります。保険でたとえると掛け捨ての状況です。
実際に弊社に来店される単身女性のお客様でも、「家賃がもったいない」と感じて家探しをスタートする方が多くいらっしゃいます。
たしかに、家賃6万円として年間72万円、35年で2520万円にもなります。これだけ家賃にお金をかけることになるので、家を買うことにシフトしてもなんらおかしいことではありません。
家を買うメリットとしては、売る・貸すという選択肢が生まれること。
購入時と売却時で同じ額で売れるのは稀だとしても、多少は売却額として手元に戻ってきたり、賃貸オーナーとして貸し出すといった選択肢をもつことができます。
これをメリットに感じるのであれば、購入を検討してみても良いのではないでしょうか。
2. 老後の安心のため
一般的に高齢になるほど、保証会社の審査が通りにくくなり、賃貸物件を借りるのが難しくなると言われています。これを避けたいと思う方は、定年退職前に住宅を確保することをおすすめします。
また、仮に審査が通る賃貸物件が見つかっても、住み心地が悪い物件となる可能性が出てきます。
生活基盤となる家の質の低下を防ぎたい方も、賃貸住宅より設備が充実している分譲住宅を確保しておくと良いでしょう。
3. 今の住居費が高いから
賃貸物件は基本的に家主の収支がマイナスにならないような賃料の設定となっています。そのため、同じ物件なら借りるより買った方が安いこともあります。
賃貸で住んでいる家と近いスペックの家なら、購入するほうがお得かもしれません。
一方で、賃貸物件から購入物件に移行するときに、ほとんどの人は快適性の向上を求めるので、面積・築年数・設備のグレードなどが上の物件を選びがちです。
すると賃貸で家賃を支払うよりも、住宅ローンの返済額などを含めた住居費が高くなることもあり得ます。
また、賃貸物件は修繕費や各種税金などが賃料に反映されています。住宅を購入したらそれらを自分で支払うことになるため、一概に住居費の節約につながるとは言い切れません。
大事なのは、賃貸でも購入でも、家計の中で無理なく支払いできる住居費に抑えることです。
単身女性が住宅購入を検討すべきタイミング
では、上記の前提を踏まえて、単身女性が住宅購入するのに適したタイミングを3 つご紹介します。
1. 30代に突入した時
女性は妊娠・出産のリミットがあるため、30歳前後は将来を考える時期かと思います。
ここで押さえておきたいのは、「住宅ローン」と「健康状態」にもタイムリミットがあるということです。
住宅ローンを組む場合、返済年数が長いほど毎月の支払い額の負担が減ります。
そのため月収があまり多くない方や、よりグレードが良く価格も高めの物件を狙いたい方は、返済期間を可能な限り長く取ると良いでしょう。
返済期間を長くするためには、
- 返済期間の上限が長い、または完済時年齢の上限が高い金融機関を選ぶ
- できるだけ若い年齢で組む
という方法があります。
近年では “最長50年返済” や “完済時年齢80歳未満” とする住宅ローンもあり、返済期間を長くしやすくなりました。
ただし、退職後に支払いが続くのは大変なので、退職金で繰り上げ返済するか、退職時に完済できる期間で組むのが一般的です。
仮に65歳で定年退職するとして、2,000万円のローンを0.65%の元利均等方式で返済する場合、毎月の支払額は、
- 30歳:月5.3万円
- 40歳:月7.2万円
- 50歳:月11.6万円
となります。
10年単位なのでイメージしにくいかもしれませんが、「30歳:月5.3万円」に対して、「31歳:月5.4万円」と、たった1年返済期間が短くなるだけで毎月1,000円の増額となります。
これって家計にとって結構大きくありませんか?
もし仕事で年々昇給する道筋が立てられるならゆっくり購入時期を検討しても良いかもしれませんが、あまり昇給は見込めないと思う方ほど早めに購入するほうが、家計が楽だと言えます。
また、住宅ローンは「団体信用生命保険」という保険に同時に加入することがほとんどで、申込時に健康状態について正直に回答しなければなりません。
通院や投薬を受けていると、場合によっては金利や保証料が高くなったり、ローンの審査に通らないケースもあります。
現代女性は女性特有の疾患を持つこともよくあることですし、どうしても年齢を重ねるごとに健康リスクは高まっていくため、不安要素が少ないできるだけ若い時期に(常に「今日」が一番若い日です!)家を買うことを検討してみてください。
2. 勤務年数3年を超えた時
住宅ローンを組む際に、金融機関が借入する方を審査する項目として
- 勤め先、職種、採用条件
- 勤務年数
- 年収
- 借入状況
- 健康状態
などが挙げられます。
ただし、勤め先がどんなに大手の企業で正社員として働いていたとしても、勤務年数が最低でも1年を超えないと審査不可となることがほとんどです。
また、自営業(個人事業主)で収入を得ている方は、3期分の決算書や確定申告の提出が求められます。
勤務年数がかかわる理由は、金融機関とローンの保証会社は「ローンを滞りなく返済できるか」という目線で審査するので、勤務年数が長い人ほど安定して働ける方として判断されるからです。
そのため、いつか家を買いたい方にとっては、今の仕事で3年を超える時が一つの購入タイミングとなります。
次の3年で結婚や実家に戻るなどの居住地が変わる見通しがないなら、「家を買うには良いタイミングなんだな」とぜひ前向きに検討していただきたいです。
3. 貯金を頭金に使えると思った時
これは特に年齢を重ねた方が該当しやすいと思いますが、ライフプランとお金の計画をしっかり立てていて、「住宅購入にある程度貯金を使えるな」と思えたら住宅購入にとって良いタイミングです。
まずは、無理のない返済額と返済年数を知る→頭金を出せる額を決める→狙う物件価格を決める、という流れで動いてみましょう。
たとえば、50歳の方が定年退職まであと15年、借入額2,000万円のローンを組み、金利0.65%の元利均等方式で返済する場合、「月11.6万円」となり返済が厳しいとします。
ここで貯金から頭金として500万円を出して、1,500万円のローンを15年で返済するとすれば、「月8.7万円」の返済になります。
これで支払いできそうなら、2,000万円の物件が買えます。
一方で、生涯独身だと、晩年の生活サポートにかかる費用や医療費は自分で確保しなければならないので、「いくら貯金があっても不安」「家に貯金を使っていいのかわからない」となりがちです。
そんな時は、家計のプロであるファイナンシャルプランナーに相談すると、具体的な貯蓄目安や家を買うのに適した時期の目安を提案してくれるはずです。
一度ファイナンシャルプランナーに相談したことのある人も、そうでない人も、住宅購入におけるお金のことに対して漠然とした不安があるなら、住宅購入前に相談してみましょう。
現状の把握と何を買うかが重要
以上をまとめると、単身の女性が住宅購入するのに適したタイミングは
1. 30代に突入した時
2. 勤務年数が3年を超えた時
3. 貯金から頭金を出せる時 です。
一番覚えておいていただきたいのが、少しでも若いうちに住宅ローンを組んだほうがスムーズということです。
30代以降で健康状態も悪くなく、勤務年数3年以上、次の3年で居住地が変わる予定が今のところない…という方は、まさに今が買い時です!
将来どんなライフスタイルの変化があるかわからない中で決断するのは不安かと思いますが、1年経過するごとに住宅ローンの返済が重くなることも事実です。
買うことも買わないことも両方にリスクがあるので、どんなリスクを避けたいかによって決めるのも良いかもしれません。
また、女性はライフスタイルが変化する可能性が高いので、購入する物件は「売りやすさ・貸しやすさ」で選ぶのがベターです。
これには駅までの距離や便利さといった立地が関わる話なので、不動産会社と一緒にベストな物件を探していきましょう。
弊社イーコンセプトでも、単身女性のお客様の住宅購入をいくつもサポートさせていただいております。
お一人お一人の状況にあわせて、時期や物件の選び方をご提案しております。あわせてファイナンシャルプランナーのご紹介も可能です。
お一人で将来のことを考えなくてはならないという不安感があるかと思いますが、そんな不安を少しでも和らげることのできるよきパートナーとなれるよう努めて参ります。
住宅購入を考え始めたら、ぜひイーコンセプトにお声がけください。