今、じわじわと平屋人気が高まっているのをご存知でしょうか？
ここ10年で平屋の新築戸数が2倍に増加するほどで、その波は注文住宅市場から建売住宅市場にも訪れています。

なぜ平屋が人気になっているのか。今回はその理由をご紹介いたします。
これまで2階建やマンションしか検討していなかった方も、ぜひご一読ください。

近年人気度が右肩上がり

まずは、平屋がどれくらい人気なのかを見てみます。
国交省の「建築着工統計調査」によると、2012年の新設戸建住宅は、448,235戸。そのうち平屋は30,604戸、約6.8％でした。

そこから年々増加していき、2022年には422,100戸の新設戸建住宅のうち、57,022戸、約13.5％となりました。
つまり、この10年間で新設戸建住宅における平屋の割合が“2倍”に増加しています。

本屋さんの住宅雑誌コーナーの中では、必ずと言っていいほど「平屋」の文字を見かけます。それだけでも平屋人気の状況が伺えます。

この流れは注文住宅だけでなく、建売住宅にも表れてきています。
実際に建売住宅「リーブルガーデンシリーズ」などを販売している一建設株式会社は、2024年3月に弊社の支店のある福島県で、東北初となる平屋の建売住宅を供給すると発表しています。

SUUMOによる都道府県別平屋率ランキングでは、東北地方は青森県の22位以降に連なる平屋率の低さで、福島県は28位（平屋率15％）とのこと。そんな中で大手ビルダーが平屋を試みるということは、確実に東北にも平屋需要が出てきたということでしょう。

10年で家に求めることが変化した

この近年の平屋人気は、私たちの生活環境における価値観が大きく変化したことを表していると思います。

1. 耐震への関心

2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震などの大規模な地震を目の当たりにして、住まいの耐震の重要性を強く感じた10年でした。

建物は重心が低くなるほど揺れにくく安定します。そのため、一般的な2階建より平屋のほうが地震対策になることにメリットを感じる方が増えたのではないかと考えます。

2. シンプルな暮らしの流行

2014年頃にファッション業界で「ノームコア（究極のシンプル）」が流行し、2015年頃には「ミニマリスト」が流行語大賞にノミネートされるなど、シンプルな暮らしが人気となっていました。

シンプルな暮らしはこの10年で日本の暮らしにすっかり根付いたように感じます。
モノを手放してコンパクトに生活する価値観が定番になったことで、平屋という必要十分な住まいがフィットする土壌ができたのではないでしょうか。

3. 家で過ごす“人”の変化

この10年で高齢化はますます進み、家で過ごす時間が長い高齢世帯が増えています。
一方で共働き世帯が増えたことで、家で過ごす時間が少ない現役世帯も増えました。

一見正反対の動きですが、実はこれによって住まいの「安全性」「時短化」という同じ要素が求められていると思います。

たとえば家の中の階段は、高齢者と子どもにとってケガしやすい、または使えない場所です。毎日使う階段が厄介なら、平屋にして無くすという選択肢は自然です。

また、高齢者にとって、2階の使っていない部屋の掃除などは負担になるでしょう。そして家で過ごす時間が限られる現役世帯にとっては、掃除の時間はできるだけ短くしたいところ。
であれば平屋にして、階段や2階の廊下・トイレの掃除をカット！ルンバが活躍できる時短ハウスに…という発想になり得ます。

高齢世帯と現役世帯における平屋のメリットの一致が、この平屋人気に影響していると考えます。

将来を不安に思う人にこそおすすめしたい

ここまで平屋人気の現状や背景について述べましたが、個人的に平屋の一番のメリットは「将来の不安が少ないところ」だと思います。具体例を2つ挙げてみます。

① メンテナンスの負担が少ない
戸建住宅の外壁や屋根などの修繕は、10年程度で行うことが目安とされています。
平屋の場合、修繕範囲の少なさや足場を使わずに終わる可能性があることなど、メンテナンス費用が少なく済みます。

また、中古で平屋を買ってリフォームする場合も、2階建と比較してリフォーム範囲が狭く、耐震補強の程度も少なく済む可能性があるため、費用負担が軽いといったメリットがあります。

② 売りやすい
先述したように、平屋には幅広い年齢層にとってメリットがあります。
単純に今後も需要が高まる場合は売れやすくなりますし、圧倒的に多い2階建と比べて希少ということからも、中古市場において有利とも言えるのではないでしょうか。

この2つの点から、戸建を買うにあたって将来のメンテナンスや、お子様に相続した後のお荷物になってしまうことを危惧している方には、ぜひ平屋をおすすめしたいです。

まとめ

平屋がここ10年で人気になっているのは、10年間の人々の生活の変化にマッチした形だからです。
今後さらに注文住宅から建売住宅まで、平屋が増えていくのではないでしょうか。

平屋はマンションのワンフロアで完結する便利さと、戸建の近隣が気になりにくい部分の良いとこどりなので、住宅購入を考えている方はぜひ一度検討してみてください。

弊社イーコンセプトでも、平屋物件の取り扱いとあわせて、リフォームのご相談も承っております。

お客様にとってベストな住まいの形が見つかるようサポートさせていただきますので、ぜひ平屋のこともご相談ください。