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マンション 修繕積立金

マンションの修繕積立金が3.6倍に値上がりするかも!? ランニングコストで不安にならないマンション選び

サイトで中古マンションを見ていると、「修繕積立金:○○円/月」という表記を見かけませんか?
これは、マンション一室を所有した際に、共用部の改修や大規模修繕工事に使うための貯金である「修繕積立金」を毎月いくら支払うかを示しています。

しかし現在、築年数を重ねたマンションで修繕積立金が不足し、毎月の修繕積立金額が急に値上がりするケースが増加しています

これからマンションを購入する方にとっては、「将来的に修繕積立金がどんどん上がって、ランニングコストがかさむのでは!?」と不安になることではないでしょうか。

実は現在、この問題を解消すべく、国交省が修繕積立金の下限・上限を決めるように動き出しているようです。
今回はその施策をご紹介します。

修繕積立金徴収額の上限・下限が定められる予定

修繕積立金が不足する要因の一つとして、新築分譲時にランニングコストを低く見せるために、当初は安く設定していることが挙げられます。

国交省によると修繕積立金の徴収額は新築時の金額から平均3.6倍上がっているとのこと。最初は安くても、住んでいくうちに急激に上がってしまうと支払い困難な所有者も出てきてしまうため、最初から安定的に徴収していくことが望ましいとされています。

e-point!

大規模修繕工事とは、マンションの状態を保つためのメンテナンス工事のこと。
具体的には外壁塗装、バルコニーや屋上の防水工事、給排水管のメンテナンスなど多岐にわたり、約15~20年ごとに行われます。
マンションによっては工事時期と内容について事前に定め、「長期修繕計画」としてまとめています。

大規模修繕工事にかかる費用を戸数で割ると、一戸につき約100万円程度だと言われています。

この状況を改善するために、国交省は次のような改善案を挙げています。

  • 改修費用の総額を月ごとに均等に割った金額を「基準額」とする
  • 新築時の下限は、基準額の0.6倍以上徴収する
  • 引き上げ幅の上限は、基準額の1.1倍とする

これで新築分譲時に過度に安くすることを抑止し、購入後も将来の修繕積立金徴収額のイメージがしやすくなりますよね。

上記の徴収額の目安は2024年4月にも決定される見込みで、今後のマンション運営の基準となっていくのではないでしょうか。

マンション購入前には積立金チェックを!

ご紹介した施策はマンションに住んでいる方、これから住む方にとってより安心できる内容ではありますが、まだわからない部分もあると感じます。

たとえば、こんなことが考えられます。

  • この施策はどの程度の強制力を持つのか?
  • 新築時に将来の大規模修繕工事費用を計算できるのか?(将来、物価変動や資材・人件費の高騰等が起きることが考えられる)
  • 現在すでに積立金が不足しているマンションはどうなるか?

いずれにしても、修繕積立金の徴収額は各マンションの管理組合(住民による組織)によって決定することなので、中古マンションにおいては国交省の施策はあくまで目安に留まるのではないかと思います。

そのため、これから中古マンションを買う方はぜひ下記の項目を確認してみてください。

  • 現在の修繕積立金総額
  • 修繕積立金徴収額の増額予定
  • 過去の工事時期や内容
  • これから予定されている工事の時期や内容

これらの項目は、マンションの重要事項調査報告書、長期修繕計画書、工事履歴で知ることができます。

主にマンションの管理会社(管理組合に管理運営を委託されている会社)が保管しているので、一般の方がすぐに手に入れられるものではありません。
確認したい場合は、弊社イーコンセプトのような不動産仲介会社に依頼してみましょう。

また、「数年後に大規模修繕工事が予定されているのに、現在の積立金で計算すると足りないのでは?」と思ったら、今後積立金が上がる可能性大です。
ランニングコストを重視してマンションを選びたい場合は、あらかじめ仲介会社の担当者にその旨を伝えてみてくださいね

現在、マンションの管理運営のルールが大きく変わる時期となっています。
マンションの建て替えについて取り上げた記事もありますので、気になる方は2024年からマンションの建て替えがしやすくなる!?区分所有法の改正に注目!もぜひご覧ください。