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プロパンガスでも安くできる!都市ガスとプロパンガスの違いを徹底比較

物件を買った後の暮らしで使うガス、大きく分けて「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類がありますが、どちらの金額が高いのでしょうか。また、双方にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、都市ガスとプロパンガスの料金比較を中心に、それぞれのメリット・デメリットも紹介していきたいと思います。

物件選びの際、ガスを1番のポイントと考えている人は少ないと思いますが、暮らしに関わる大きな要素のひとつです。事前にそれぞれの違いを知って物件選びの際にもぜひチェックしてください。

都市ガスとプロパンガスの特徴

一般的な家庭で使われるガスは「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類に分類されます。

2つのガスの主な特徴を表にまとめると以下の通りです。

都市ガスプロパンガス
料金×
CO₂排出量×
災害時の復旧×
利用できる地域×

①都市ガスの方がプロパンガスよりも料金が安い

都市ガスは地面の下に張り巡らされたガス管を伝って各家庭に供給され、プロパンガスは液化されたガスをガスボンベに充填し、それを業者が各家庭に配送しています。こういった供給方法の違いから、プロパンガスは都市ガスに比べて配送費や人件費などの分、料金が高い傾向にあります。

東北地方のガス平均価格の対比は以下の通りです。

都市ガスプロパンガス
宮城県7,269円12,823円
福島県8,840円13,265円
秋田県7,850円14,143円
岩手県8,500円14,653円
山形県9,040円14,771円
青森県9,460円15,569円

地域によって価格に差はありますが、平均価格はプロパンガスの方が都市ガスより1.5~1.8倍程度高い傾向にあるようです。

②都市ガスはCO₂排出量が少ない

都市ガスはプロパンガスに比べてCO₂の排出量が少ないです。ある調査では、都市ガスのCO₂の排出量を1とした場合、プロパンガスは約1.16 のCO₂の排出量だったという結果も出ています。これにはそれぞれの主成分が関係しています。

都市ガスは、液化天然ガス(LNG)を使用しています。主成分はメタンです。これに対して、プロパンガスは、液化石油ガス(LPG)を使用します。主成分はプロパンやブタンです。別名をLP ガスといい、不動産の物件概要などにLP ガス、とあるのはプロパンガスを使っているという意味です。

ちなみに、都市ガス(液化天然ガス)は空気よりも軽いので、ガス漏れ警報器の取り付け位置はキッチンの上部など、検知しやすい位置としています。
万が一ガス漏れが発生した場合には、天井部にたまるので、窓を開けて換気をすることにより大気中に放出できます。
一方、プロパンガス(液化石油ガス)は空気よりも重いので、室内に漏れた場合は足元にたまります。そのため、プロパンガス用の警報器は、床のすぐ上あたりの低い位置に取り付けます。万が一ガス漏れした場合は、屋外にほうき等で掃き出すことで室内の事故を防ぐことができます。

③災害時はプロパンガスの方が復旧が早い

都市ガスは、災害などで地下に張り巡らされているガス管が破裂してしまうと使えなくなり、復旧までに時間がかかります。東日本大震災の際には復旧に2カ月以上かかった地域もあったそうです。
一方、プロパンガスは、替えのボンベ・設備、破損等があった部品の交換などが行われればすぐに利用を再開することができます。災害時の備えとして、プロパンガスを備蓄する公共施設やビル・集合住宅などもあるほどです。

私も東日本大震災の際はプロパンガスを使用していたので、すぐにお風呂に入ったりガスストーブを使用できたりしたのを覚えています。

④プロパンガスは利用できるエリアが広い

プロパンガスは全国どこでも場所を選ばず利用可能です。輸送さえできれば、災害の被災地・仮設住宅への設置、発電機の燃料にも使えて、プロパンガスがライフラインを支える役割を担っています。初期費用の安さもプロパンガスのメリットです。地下導管から引き込むことは必要がありませんので、引っ越しなどのときに大きな出費をする必要もありません。

逆をいうと都市ガスを利用できるのは、ガス管が設置されているエリアに限ります。また、プロパンガスから都市ガスに変えたい場合、自宅までガス管を引き込んだり、設備を都市ガス用のものに変えたりする必要があります。価格も数十万かかってしまう場合があり、現実的とは言えません。そのため都市ガスを利用したいと考えている人は最初から都市ガス対応の物件を探すことをお勧めします。

プロパンガスの料金を抑える方法

これまで都市ガスとプロパンガスの違いを見てきましたが、やはりプロパンガスは料金がネックですよね。では料金を抑えるにはどうしたら良いのでしょうか。

じつは、プロパンガスを供給している会社は全国に16,825 社も存在していると言われています。※経済産業省調べ
また、契約する会社は戸建ての場合、個人で自由に選ぶことができ、「この地域はこのプロパンガス会社と契約しなければならない」というような縛りは一切ないのです。つまり、安くて優良な会社に契約を変更することで、より安く、都市ガス並みの料金で利用することもできます。

ガス会社を変更するのは原則自由ですが、現実的にはいくつか条件もあります。その一番大きな条件が途中解約に関する違約金の処理問題です。

家を新築する際、配管工事代をプロパンガス会社が負担し、15 年で償却するという契約が存在します。建売住宅などを建てているハウスビルダーは住宅の原価を抑えるためにこの契約をしていることが多くなってきています。
配管工事代金はおよそ15 万円ですので、年間1 万円償却することになり、仮に築5 年の家では約10 万円の違約金が発生する可能性があります。
新しく契約するガス会社の方針にもよっては、この違約金を肩代わりしてくれる業者も多く存在しますが、上限はおおむね10 万円であることが多く、これ以上の場合は自分で清算することになります。
違約金がいくら発生するかを知るには、ガス会社との間で取り交わした「契約書」を確認してみてください。

まとめ

都市ガスとプロパンガスの違いを比較してきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあることはおわかりいただけたでしょうか。価格の差はもちろん、ガス漏れ時の対応や災害時の対応等も覚えておくといざという時に安心です。
また、上述したようにプロパンガスの会社は、全国に1万社以上もあります。会社を変更する際に一番心配なのは、契約当初だけ安くて、その後徐々に値上がりしてしまう可能性があることです。プロパンガス業界ではこのようなことが頻繁に行われているという現状もあります。そのため、ガス会社変更の際には、専門の業者に依頼したり、物件の購入時に依頼した不動産会社などに相談することをおすすめします。

イーコンセプトでは、不動産を購入後も安心してお住まいいただけるよう、購入後サポートを実施しております。 「ガス会社を変更したい」という方はもちろん、「リフォームしたい」「設備を変えたい」などの要望にもワンストップで対応しています。

購入後までサポートして欲しいという方はぜひ、イーコンセプトにご相談ください。