本格派「北欧インテリア」のお部屋づくりポイント
日本のインテリアシーンですでに定番になった「北欧インテリア」。
木をふんだんに使った、シンプルで特徴的な家具・雑貨が日本の住まいにもなじむのが人気の理由ではないでしょうか。
でも、明るい色調と木を使ってナチュラルな感じにまとめれば「北欧インテリア」になるかというと、そうでもなくて、なぜかいまいち素敵にならない…ということも。
そんな方に向けて、今回は北欧インテリアの特徴と北欧風の家づくりのポイントをご紹介します。
目次
1.現地の写真で見る!北欧インテリアの特徴
北欧インテリアの“北欧”とは、スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・デンマークの4か国を指すことが一般的です。
これらの国々は、
- 緑、湖などの自然豊かな環境
- 緯度が高いため、夏が短く冬が長い
- 冬は寒い
- 日照時間が短い
という生活環境です。
このような環境から、家族や仲間と家で過ごす時間をとても大切にする価値観をもち、団らんの場となる「住まい」を重視しています。
では、現地の不動産サイトに掲載されている住まいとともに、北欧インテリアの具体的な特徴を7つ紹介します。
①ベースカラーはホワイト
北欧は日照時間が短いため、家の中で明るい色を取り入れます。
物理的にも家の中が明るく、心理的にも明るい気持ちで過ごせるようになりますよね。
一言にホワイトといっても色や質感は様々ありますが、北欧の住まいではペンキや漆喰(しっくい)を塗った厚みのあるイメージです。
日本の住まいで再現するなら、壁や天井を真っ白に塗装すると近い雰囲気になるでしょう。
また、建具(ドア)、キッチンの色、ダイニングテーブル&チェアなどの家具まで真っ白のもので揃えると、より現地の雰囲気が増します。
一方で床はホワイト系以外も使います。
現地の住まいを見ると、主に木のフローリングを使っていますが、色や種類、貼り方まで様々です。
部屋ごとに異なった床材を使っていることもあり、統一感は気にしなくて大丈夫です。
② 直線的な重厚感
日本で人気の「ナチュラルインテリア」との違いは、《重厚感》の有無ではないでしょうか。
それを醸し出しているのは、板貼りと枠のデザインです。
北欧の住まいでは木材がたくさん使われており、天井や壁の板貼りが主流です。
平らな壁や天井と比べて、板貼りは奥行が生まれるため重さが感じられます。
また、巾木(はばき/床と壁の境目に付けるもの)、廻り縁(まわりぶち/天井と壁の境目に付けるもの)、建具の枠は太めでしっかりとした厚みのあるものを使っています。
特に窓は、家の内側と外側に幅広の木枠が使われている(窓モール)特徴があります。
これらの装飾は重厚感を加えていますが、直線的なデザインのため派手にならずに落ち着いた雰囲気になります。
③ 見た目と機能の美しさをもつ家具・雑貨
北欧では家で過ごす時間に欠かせない家具も重視されており、質の良い家具は“資産”として代々引き継ぐほどです。そのような価値観の中で、見た目も機能性も素晴らしい名作家具が誕生しました。
例えばハンス・J・ウェグナーがデザインした「Yチェア」は、背もたれの曲線と座面が美しく、座った時には背中が背もたれにすぽっと収まる良さがあります。
「ストリング」のシェルフは、規格が整った美しさと、組み合わせ次第で幅広い使い方ができる汎用性の高さが魅力的です。
また、雑貨も洗練されたデザインが魅力的です。
イッタラ社の食器「ティーマ」シリーズや、重ねられる脚付きグラスの「レンピ」などは、フォーマルにもカジュアルにも対応する汎用性の高さが人気です。
④ファブリックでアクセントを付ける
カーテン・クッション・テーブルクロスなどに、コントラストの効いた色味を加えて自分らしい空間を楽しむのが北欧流。
自然を大切にする北欧ならではの草花モチーフの柄や、手書きの幾何学的な柄が人気なようです。
気分で変化させやすいのがファブリックの魅力で、たとえばクッションカバーはIKEAならなんと299円(!)で買えるものもあります。一番簡単に真似できる部分ではないでしょうか。
⑤照明は多灯づかいする
北欧の住まいでは、必要なところに必要なだけ明かりを灯します。
シーリングライト1灯で部屋全体を明るくするのではなく、ダイニングにはペンダントライト、ソファ脇にはフロアライトなど、暖色系の明かりを複数灯します。
多灯づかいすることで、陰影が生まれてリラックスする空間を作ることができます。
⑥ 窓際を明るく
北欧では寝室などのプライベート空間以外はあまりカーテンを閉めずに、日光を取り入れます。
また窓に窓台を設けて、観葉植物や花を飾るスタイルも一般的です。
反対に夜は窓から見える位置に照明を付けて、外から明かりが見えるのを楽しむ習慣があるそうです。
寒くて暗い冬に外を歩いているとき、家々の明かりが灯っていると安心できそうですよね。
⑦ 一般家庭にサウナが普及している
フィンランドはサウナが有名ですが、なんと一般住宅にもごく普通にサウナが併設されています。
日本で既存の家にサウナ部屋を作るのは大規模な工事になりますが、最近は家庭用サウナが続々と登場しているため、サウナ好きな方は真似してみてはいかがでしょうか。
2. 北欧インテリアなお部屋づくりのポイント
ここまでは現地の北欧インテリアの特徴を7つご紹介しました。
では、これらの特徴を日本の住まいで再現するためのポイントを3つご紹介します。
ポイント1:和室を攻略すれば物件の選択肢は多い
北欧インテリアはホワイトベースで明るく、木の風合い感じられる特徴があるので、日本の生活にもなじみやすいものです。
そのため、「北欧インテリアにしたい!」という目的で新居を探す場合でも、日本によくあるシンプルな内装の物件なら問題ありません。
特徴①でご紹介した通り、壁や天井の壁紙はホワイトがベスト。
日本でも壁や天井はホワイトが好まれるため、物件選びをする際にはリフォーム済み物件であればほとんどがクリアしています。
和室がある物件でも、「シンプル」「色味を押さえる」ことを工夫すると、北欧と和が調和した『ジャパンディスタイル』になります。
また現在の建売住宅では、
- 天井クロス貼り
- 縁なし畳
- ふすまではなく引き戸
- 押入ではなくクローゼット収納
といった洋風になっている物件もあり、そのままでも違和感なく北欧インテリアを作ることができます。
一方で“ザ・和室”な内装の物件では、ふすまを引き戸に変えたり、長押(なげし)・欄間(らんま)などをホワイト系に塗装するなどの工夫をすると良いでしょう。
最近では「ふすまリフォームドア」という工事不要で引き戸に変えられる商品もあるので、ぜひ活用してみてください。
ポイント2:部分的な板貼りで重厚感アップ
特徴②で紹介した北欧インテリアの「重厚感」は、DIYやリフォームで窓枠を作ったり、板貼りにすることで再現できます。
全ての部屋を板貼りにするのはハードルが高いので、LDKや寝室などの限られた場所で「壁一面だけ」「天井だけ」「腰壁として」板貼りを導入するのがおすすめです。
ポイント3:家具・雑貨・ファブリック選びにこだわる
もしDIYやリフォームもハードルが高い場合は、家具・雑貨・ファブリックの選び方に気を付けると簡単に北欧のテイストを取り入れられます。
特徴③で紹介したように、長年使われてきた木製家具は濃い色に経年変化します。それがホワイトベースの内装のアクセントになったり、重厚感を生み出します。
この雰囲気を日本の住まいで再現するなら、中古やヴィンテージの家具を取り入れてみたり、新品なら元々色の濃い「チーク材」「チェリー材」「ウォールナット材」の家具を選んでみましょう。
また現地写真を見ると、木製でも不透明なホワイトやブラックで塗装してある家具も頻繁に見かけます。特徴①で紹介したように、ホワイトなら内装の統一感が出ますし、ブラックなら空間を引き締めてくれます。
一方でコントラストをあまり付けずに淡い色味でまとめたいときは、「ナチュラルインテリア」との差を付けるのが難しいところ。
北欧インテリアでは、上記のような塗装を施している家具やシンプルなデザインの家具を選びましょう。
「muuto」や「HAY」などのブランドには、淡さやグレーを含んだ色味の家具があるのでおすすめです。
さらに、柄物のクッションを使ったり、ファブリックパネルを壁にかけたり、キャンドルを窓辺に飾ると手軽に北欧の雰囲気を加えることができます。
まとめ
北欧インテリアの特徴として
① ベースカラーはホワイト
② 直線的な重厚感
③ 機能美をもつ洗練された家具・雑貨
④ ファブリックでアクセントを付ける
⑤ 照明は多灯づかいする
⑥ 窓際を明るく
⑦ 一般家庭にサウナが普及している
以上7つご紹介しました。
これらを日本の住まいで再現するなら、インテリアの箱となる物件は、ホワイトの壁や天井ならあまりこだわらなくてもOK。建具(ドア)や窓枠もホワイトだとなお良しです。
住んでいるときには、板貼りなどの工夫や家具・雑貨選びで北欧感を演出しましょう。
北欧好きの方はこのポイントを押さえて素敵なお部屋を作ってみてくださいね。
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