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REIT(リート)と不動産投資の違いは?新NISAスタートで分散投資がトレンド

不動産関連の投資といえば、実際に物件を購入して賃料収入や物件の売買益を得る投資手法を想像する方が多いと思いますが、投資法人が運用する不動産からの受益権を証券にした「不動産投資信託(REIT、リート)」という有価証券が話題になっていることはご存じでしょうか?

今年(2024年)から、新NISAがスタートしたことで投資への関心がさらに高まりをみせています。
新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用できるようになり、最大で年間360万円までの投資が可能になりました。

いままで投資をしていた方でも、NISAにおける毎月の投資金額を増やしたり、不動産投資信託であるREIT(リート)への投資や、不動産をはじめとする実物資産への投資も行うなど今までの資産運用を見直す動きなどもみられます。

今回は、そんなREIT(リート)の概要や一般的な不動産投資との違いについて紹介していきます。

REIT(リート)とは?

REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trust」の略称で、「不動産投資信託」のことです。
1960年に米国で始まり、日本では2001年に東京証券取引所に開設され、JAPANのJをとって「J-REIT」とも呼ばれています。

出典:一般社団法人 投資信託協会

投資法人が多くの投資家から資金を集め、その資金で不動産を購入し、賃貸収入や不動産の売却益を投資家に分配するといった仕組みになっています。

REITを利用することで、大きな資金を持たない個人投資家でも少額から不動産投資を始められ、住宅、商業施設、オフィスビル、ホテルなど、さまざまな種類の不動産に分散投資が可能になります。また、新NISAの成長投資枠を利用できるため非課税の恩恵も受けられます。

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新NISA「成長投資枠」とは?

2024年から始まった新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が新設されました。

           

その中でも成長投資枠は、REITを含む投資信託などにも投資することができ、つみたて投資枠よりも投資対象商品が多いことが特徴です。

REITは、分配可能な利益の90%を超える額を投資家に分配するので、一般的な株式よりも分配金が高くなる傾向があります。

新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用で年間360万円まで投資でき、非課税保有限度額1,800万円(成長投資枠は1,200万円)まで分配金を非課税で受け取ることができるので、REITでの非課税の恩恵は注目に値するといえるでしょう。

REITと一般的な不動産投資の違い

REITと不動産投資の違いを表にまとめると次の通りです。

REIT不動産投資
初期投資額数万円数十万円~数千万円
価格変動大きい小さい
収益の源泉分配金と売買益主に賃料
借入れ基本的にできないできる
流動性高い低い
投資先の分散容易しにくい

REITのほうが投資が始めやすい

REITへの投資は数万円程度から可能で、下記の手順に従って行うだけで、簡単に始めることができます。

  • REITの取り扱いがある証券会社で口座開設する
  • 口座に投資資金を入金する
  • 好きなREIT銘柄を選んで投資する

また、REITは物件管理の手間がかかりません。価格や運営状況を定期的にチェックする必要はありますが、物件の管理業務は投資法人に委託されています。そのため、初心者でも気軽に不動産投資を始めることができます。

対して、一般的な不動産投資の初期投資額は、極端に安い中古物件をのぞくと1棟で買うなら数千万円~1億円以上、区分投資でも1~2千万円はかかるケースが多いです。ローン借入を活用して自己資金の負担は抑えられるものの、数百万円~数千万円の現金が必要な案件も珍しくありません。

不動産投資は下記の流れで作業を進めていく必要があります。

  • 投資金額や目標を決める
  • 不動産会社に連絡する
  • 土地や物件を探す
  • 物件に現地見学に行く
  • ローン審査を受ける
  • 物件の購入申し込みをする
  • 管理会社を選定する
  • 必要な保険への加入手続きをする
  • 運用する

物件を探し始めてから保険加入の手続きを終えるまで、物件や保険会社などにもよりますが、数か月以上の時間を要します。物件の運用が始まったら、入居者の募集や修繕などに着手します。すでに入居者がいる物件なら、初期作業は多くはありません。入居者がいない状態であれば、入居者の募集のために広告を打つことも必要です。

このように不動産投資は、多くの費用をかけて複雑な手順をこなしていかなければいけないため、しっかりと勉強し、十分な知識を持って始めなくてはいけません。

リターンは一般的な不動産投資の方が高い

REITは、数万円の少額投資から始められ、投資先である投資法人は、多くの投資家から資金を集めて複数の物件に投資するために、REITに投資するだけでリスクが分散されることになります。一方で、REITの購入資金は原則として自己資金のみで、金融機関からの借入を利用することができないために高額な投資が難しいです。

一般的な不動産投資では、投資対象の不動産を担保にして金融機関からローンを組むことができます。これにより、自己資金を大幅に超える価値の不動産に投資することが可能となります。この投資手法は「レバレッジ投資」と呼ばれていますが、利回りが全額自己投資の場合よりも高くなる傾向があります。また、また、減価償却を税務上損金として計上することで、節税効果を得ることもできます。

しかし、リターンが大きい分リスクも大きくなります。リスク分散を図るためには大資本で投資する必要があること、また換金するまでに時間がかかることは気に留めておきましょう。

それぞれにおすすめな人

まず、REITは次のような人におすすめです。

  • 新NISAを活用したい人
  • 少額から不動産投資したい人
  • 柔軟に売買できるようにしておきたい人

REITは、新NISAの成長投資枠で投資ができます。新NISAを活用すれば、本来投資収益にかかる20.315%の税金が非課税となるため、投資のコストを抑えて運用可能です。また、数万円程度で投資できるため、少額から投資を始めたい人にも適しています。

長期投資を前提とせず柔軟に売買できるようにしておきたい方にもおすすめです。REITは市場で日々売買可能なため、投資額の積み増しや急に現金が必要になったときの売却がしやすく安心できます。

次に不動産投資がおすすめな人は次のとおりです。

  • 毎月確実に現金収入を得たい人
  • 長期投資するのが確実な人
  • 高所得もしくは潤沢な金融資産がある人

REITの分配金は通常年2回ですが、現物不動産なら空室でなければ毎月賃料収入を受け取れます。また、借入を活用して規模の大きな物件に投資すれば、潤沢な賃料収入を得られます。現物不動産は短期での売却が難しいため、基本的に長期投資を前提とする人に適しているでしょう。

自己資金の確保やローン審査を優位に進める観点から、高所得者もしくは金融資産が多い人の方が投資しやすいといえます。

まとめ

今回は、REITの概要と一般的な不動産投資との違いについて紹介しました。

REITも一般的な不動産投資も、どちらも不動産を活用した投資手法です。しかし、投資商品としての特性は大きく異なるため、自分にとってどちらが適しているかをよく考えて投資先を選びましょう。

REITは、少額から投資でき、売買も柔軟に行えるのが特徴です。また、1つの銘柄を購入するだけで、不動産投資の分散が可能なのも魅力です。一方で、十分な自己資金があり、ローンを利用して長期間投資を考えているなら、実物の不動産への投資がおすすめです。

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