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物が多い家でもおしゃれに見える理由~ジブリ映画と現実の違い~

賃貸住まいのわが家は、広さや収納量に対して物が多く、片付かない部屋で困っています。
そのうえ不動産&リノベの会社にいる職業柄、素敵な家への憧れは尽きることなく…現実とのギャップに苦しむ日々を過ごしています。
この状況、共感してくださる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな中、魅力的なタイトルの記事を発見。
「ジブリ映画の家はモノで溢れてお洒落なのに、なぜ実家はああならないのか」

た、たしかに…。現実では、断捨離やミニマリストが流行るように「物が多い家=汚い」というイメージが浸透しているように思います。
でもジブリに登場する家には物がたくさん描き込まれているのにもかかわらず、雑然とした印象ではありません(ひどい状態なのはカオナシが暴れた後の場面くらいでしょうか)。

この差は何から来ているのでしょうか?

© 2010 Studio Ghibli・NDHDMTW

この疑問について、記事の筆者である整理収納アドバイザー1級の米村まりなさんの意見を参照しながら考えてみます。

まず、この疑問には2つのポイントがあります。
①ジブリの家は物が多いのに、おしゃれに見えること
②実家に物が多く、雑然としていること

それぞれ1つずつ考えてみましょう。

1.ジブリの家は物が多いのに、おしゃれに見えるのはなぜ?

米村さんはこの回答としてSNSに載っているおしゃれな家を例として挙げ、

生活スタイル起因で作られた結果ではなくて、空間というパレットにモノというアイテムを使った芸術作品に近いジャンルのもの

センス良いものを選んだ上で、部屋全体のバランスを見て、センスよく飾っている

と綴っています。

これには私も同感で、おしゃれな家と雑然とした家の違いは“テーマに沿った統一感があるか”だと考えます。

個人的な意見ですが、物に統一感があると「○○な感じ」と脳内で一括りにできるので、余計なことを意識しないで済む空間になります。
たとえば「ナチュラルな感じ」の物で統一されていれば、リビングを見てもキッチンを見ても印象は変わらないということです。

そして余計なことを意識しない空間がベースになっていることで、花や置物、アートなどのおしゃれに見せたい物が際立ち、「おしゃれだ!」と認識しやすくなるように思います。

では、統一感の出る物を選ぶためには何に気を付ければよいでしょうか?
簡単な方法は、色味・素材を揃えることです。たとえば下記の物を選ぶ際に、色味・素材を意識してみましょう。

  • 布物(カーテン・ラグ・寝具など)
  • 大型家具(ソファ・ダイニングセットなど)
  • 家電(電子レンジ・炊飯器・PC)

また、柄・文字・キャラクターなどを取り入れておしゃれに見せるのは、実は非常に難易度が高いのです。

服をイメージしてみてください。外国語のプリントが入っていてもあまり気になりませんが、日本語が入っていると瞬間的に読んじゃいませんか?
このように意味が自然と頭に入ってきてしまうものは空間のテーマを壊しがちなので、広範囲に使わず、アクセント程度に収めておくのがおすすめです。

そして同様に、イラストや文字に溢れ、なんならキャラクターも入っていたりするものの代表格として日用品のパッケージがあります。家の雰囲気とかけ離れたパッケージは、シンプルな容器に詰め替えるだけで、かなりスッキリとした印象になります。
もし詰め替えが面倒であれば、日用品を入れる収納カゴなどを統一できると、ぱっと見で綺麗な印象になります。

私も実際に自宅用に無地のティッシュケースを購入したところ、テーブル上の雑多な感じが軽減されたので驚きました。たったティッシュ1つでこの変化…と、パッケージデザインの影響力を思い知らされました。

以上のように「テーマがあり、それに合わせた色味や素材感によって統一感のある印象をもたらす」ことは、映像作品であるジブリにとって当たり前のことですよね。
背景として描かれているもの一つ一つに意図があり、デザインやアートのプロが色味・形・配置をこだわって作る物なので、ジブリの背景は物が多くてもおしゃれに見えるのだと思います。

2.実家に物が多く、雑然としているのはなぜ?

次にこちらの問いに対しては、米村さん曰く、

”「自分のモノは気にならないが、人の散らかりは気になる」というのが人間心理”

”一緒に暮らしている夫婦・親子間で、たとえ同じ物の量が出しっ放しになっていたとしても、人の荷物はより気になる”

とのこと。

まさに私も実家に帰省する度に同じことを感じ、滞在中にちょっと整理したい!なんて思ってしまいます。自分の家ではそこまで感じないのに実家は気になるというのは、客観視できているかどうかが関わっているのだと思います。

米村さんの他の記事では、”整理する場所の写真を撮ると、改善点がわかる”と紹介されています。
たしかに家の中や自分の顔などを写真で見ると、悪いところが目につきやすくなって驚きますよね。
写真撮影は手軽に客観視できるツールとして活用できそうです。

また、高齢になると自分の身の回りに無頓着になりがち(=客観視できなくなる)うえに、体力や判断力が低下し、整理整頓やゴミ出しがしにくくなると言われています。
明らかに以前より実家が散らかっているのであれば、親御さんの生活に支障が出る前に住環境のサポートをするのも大切なことだと思います。

〈引用元〉
ジブリ映画の家はモノで溢れてお洒落なのに、なぜ実家はああならないのか|米田まりな 捨てない整理収納アドバイザー note

3.お手本を有効活用すべし

以上をまとめると、

  • ジブリは意図をもって作られているもの。現実の空間づくりもテーマを決めて統一感をもたせれば、物が多くてもおしゃれに見える。
  • 日用品のパッケージを揃えるとスッキリして見える。
  • 他人の物は気になる一方で、自分の物は気になりにくい。客観視するためには写真撮影が有効。

「なんでジブリは物が多くてもおしゃれなの?」という疑問を掘り下げると、案外現実的に試せるおしゃれな家の作り方を導き出すことができました。

私も自宅の収納については「家が狭いから綺麗にならない」と家のせいにして考えていましたが、きれいに見える収納の工夫をしないと、どんな家に住んでもきっと綺麗に見えないだろうと思い直しました。
まずは今の家の改善から進めてみます。

とはいえ実際に「家のテーマを決めたい」「日用品をシンプルに見せたい」とやる気になっても、ピンと来ないことってあると思うのです。

そんな時は先輩たちのアイデアを参考にさせていただくのが一番の近道!
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