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健康に生活したいなら室温は18度以上に!いま家の断熱がマストな理由

毎日寒い日々が続いていますが、室内の温度は何度に設定していますか?
近年は、交通事故死亡者数より住宅内死亡者数の方がはるかに多く、WHO(世界保健機関)でも健康の観点から家の中全体の室温は18度以上にすることを強く勧告しています。

室温と健康には深い関係があり「室温を2度上げると健康寿命が4歳伸びる」と言われているほどです。

そこで今回は、室温と健康の関係について解説していきたいと思います。

WHOが「冬は室温18度以上にすること」と強く勧告

WHO(世界保健機関)は「住宅と健康に関するガイドライン」
出典:WHO

WHO(世界保健機関)は『住宅と健康に関するガイドライン』にて、「冬は室温18度以上にすること」を強く勧告しています。特に子どもや高齢者がいる世帯では「もっと暖かい環境を提供するように」と言われています。

なぜ「冬の室温を18度以上にすること」が必要かというと、呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減することができるからです。

日本では室温18度以上の都道府県は、たった4道県のみ

温暖地ほど住まいが寒い
出典:日本のスマートウェルネス住宅全国調査

では、日本の既存住宅の室温はどうなっているのでしょうか。国土交通省が実施した「スマートウェルネス住宅推進調査」によると、冬に室温が18度以上だった都道府県は、4道県(北海道・新潟・千葉・神奈川)のみという結果になりました。さらに調べてみると、東北などの寒い地域よりも比較的温暖と思われている地域ほど、住宅の室温が低いという結果が現れました。

断熱住宅普及県ほど冬に死者が増えない

冬の死亡者数のグラフを見てみると、断熱住宅が普及している寒い地域の都道府県ほど、冬に死亡者数が増えないという傾向があることが分かります。

冬の寒さは、血圧を上昇させ、高血圧性疾患のリスクを増加させます。また、肺の抵抗を弱らせて肺感染症リスクを高めたり、血液を濃化することで冠状動脈血栓症リスクも増加させるのです。

上記グラフからも分かるように、冬の寒さに起因するこれらの3大リスクを、住宅の室温が高い「温かい家」なら抑えられるということになります。

室温を18度以上にすると生活習慣病も改善される

建築と医療の研究チームによる「断熱等級1~2の住宅を断熱改修(リフォーム)によって断熱等級3~4にすると、居住者の健康にどう影響するのか」という調査によると、住宅の断熱性能を高めることで生活習慣病も改善されるという結果が出ました。

具体的には、「高血圧」な80歳男性の場合、住宅の断熱改修をすると、血圧が平均で3.1mmHg低下することが分かりました。厚生労働省は国民の健康のために血圧を4mmHg下げる数値目標を掲げていますが、食事の工夫や運動といった生活習慣を改めなくても、住宅の断熱性能を高めるだけで、目標の8割を達成できるということが分かります。

さらには「脂質異常症の発症を抑制する」という面でも断熱改修の効果が現れました。脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態のことで、いわゆる悪玉コレステロールや中性脂肪などの血中濃度が異常だという状態です。この脂質異常症の発症を断熱改修前と改修から5年後に調査したところ、居住者の脂質異常症の発症する数値を調べたところ約0.3倍(約7割減)まで下がったのです。

こうした調査結果から、住宅の断熱性能を高めることで生活習慣病も改善されるということが分かると思います。

まとめ

今回は、室温と健康の関係について解説してきました。室温を高めることで生活習慣病や健康上のリスクを軽減できるのに、日本ではまだまだ住宅性能に関する関心が薄い傾向にあるということが分かりました。

皆さんも自宅の断熱改修(リフォーム)をしようとする時、どこを改修すればいいのか迷うこともあると思います。そこでおすすめしたいのが「窓」の断熱改修です。
窓は住宅の中で最も大きい “熱の出入り口”です。二重窓や複層ガラス窓、樹脂製や木製など金属製でないサッシにすれば断熱性能が大きく高められます。
断熱性能が高くなると室内が外気温の影響を受けにくくなるので、冬の寒さだけでなく夏の暑さも軽減することができます。

また今年は、住宅の断熱改修をすることで国から補助金も出るので、タイミング的にすごくおすすめです。補助金について気になる方は、以下の記事もぜひ見てみてください!