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住宅購入時に親から支援してもらうなら、2023年末までに買わないと最大177万円も損する!

マイホームを購入するとき、両親などから資金を援助してもらうことは珍しくありません。
一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査」の結果報告書によると、親からの支援を受けた世帯の割合は住宅購入者全体の14.2%でした。さらに30代の購入者に限定すると、支援を受けた割合は20%を超えています。

今までは、「住宅取得資金贈与の特例」を利用することで、最大1,000万円まで非課税で贈与を受けることができました。しかしその期限が2023年末に迫っていることは知っていますか?

つまり、2024年以降に親からの支援を受けると贈与税が課税されることになります。
仮に1000万円の資金援助をしてもらった場合、贈与税は177万円。2023年末までに住宅購入しないとこの贈与税の分、住宅購入時に余計な費用がかかってきてしまうのです。

そこで今回は、期限がもう少しに迫った「住宅取得資金贈与の特例」と廃止になる背景、今年住宅購入する際の注意点をあわせて紹介していきます。

「住宅取得資金贈与の特例」とは

住宅取得等資金の贈与税の非課税措置とは、住宅購入や増改築の時に親や祖父母などからお金を受け取っても、一定額まで税金(贈与税)を支払わなくてもよいという制度です。

通常の贈与では、贈与額が年間110万円を超えると、10%~55%の贈与税が課税されます。しかし、この特例を使うことにより、省エネ・耐震性・バリアフリーの住宅を購入時には最大1,000万円、それ以外の住宅の購入時には最大で500万円まで非課税で贈与を受けることができます。

これは、シニア層から若年層への資産移転と、若年層の住宅取得を後押しするための政策です。

限度額は年々減少傾向

ところがこの特例は、非課税限度額(非課税で贈与できる上限額)が年々縮小されています。つまり、両親や祖父母からの多額の資金援助が受けにくくなっているということです。これまでの限度額の推移を見てみましょう

<税制改正前>
・2019年4月~2020年3月  非課税限度額:3,000万円
・2020年4月~2021年12月 非課税限度額:1,500万円

<税制改正後>
・2022年1月~2023年12月 非課税限度額:1,000万円

このように、2019年には最大3,000万円だった非課税限度額が、2022年以降は1,000万円に、わずか3年間で3分の1にまで縮小されています。

2024年以降はどうなる?

この住宅取得等資金の贈与税の非課税措置ですが、2023年12月が期限となっており廃止されます。

廃止される背景には「相続税と贈与税の一体化」という考え方があるためです。
親から子へ資産が相続された場合には、一定の金額を超えると相続税が発生します。しかし生前に、贈与税がかからない範囲での贈与を繰り返すことで、親の資産を子に移転し、相続税の節税を図ることができます。特に住宅取得資金や教育資金の贈与は非課税枠が大きく、富裕層の節税対策に用いられてきたという側面が問題視されてきました。

「相続税と贈与税の一体化」とは、親から子への資産移転に関し、相続・贈与など移転のタイミングに関係なく、同じように課税するべきという考え方です。

こうした背景を踏まえると2024年以降はこの非課税措置にかわる制度がでる可能性は低く、住宅購入にともなう両親や祖父母からの資金援助は、贈与税の課税対象となるため、非課税で援助の受けられる2023年末までに購入することがおすすめと言えます。

2023年に住宅購入する方が注意するべきこと

それでは今年中に、この特例を使ってマイホームを購入する方はどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。まず、非課税特例を受けるための主な要件を知っておきましょう。

贈与する人、贈与を受ける人の要件

特例を受けるためには、贈与する人、受ける人それぞれに要件が決められています。

【贈与する人】
・贈与を受ける人(=購入者)の直系尊属(両親・祖父母・曽祖父母など)
※義父母、叔父・叔母などは対象外

【贈与を受ける人】
・贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上
・贈与を受ける年の合計所得が2,000万円以下
(床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下)
・配偶者や親族など特別の関係がある人から取得した家屋でないこと
・贈与を受ける時点で日本国内に住所があること

新築・購入する物件に関する要件

また、贈与を受けて新築・購入する物件についても細かな要件があります。

・日本国内にある住宅用の家屋であること(敷地である土地を含む)
・登記簿上の床面積(マンションは専有面積)が40㎡以上240㎡以下、かつ1/2以上が自己居住用であること
・次の①~③いずれかに該当すること
①新築住宅
②昭和57(1982)年1月1日以後に建築された中古住宅
③それ以前に建築された中古住宅は一定の耐震性が証明できるもの

贈与の時期や申告に関する要件

最後に贈与のタイミングや申告についての要件です。ここが一番重要な部分なので、しっかり理解しておきましょう。

・贈与を受けた日が居住開始前であること
・贈与を受けた日の翌年3月15日までに本人が居住を開始すること
※「入居の見込み」があれば、最大で翌年12月31日まで居住開始を遅らせることができる
・贈与を受けた日の翌年3月15日までに贈与税の申告をすること(税額がゼロでも)

このように、住宅取得資金の特例を受けるためには、「贈与」「入居」「申告」の3つの時期をしっかり押さえておくことが重要となります。

まとめ

今回は「住宅取得資金贈与の特例」について解説しました。
仮に1000万円の資金援助を受けて住宅を購入する場合、2023年末までの購入とそれ以降の購入で177万円もの差が出てきます。このように余計なお金がかからないようにするためにできるだけ早めの住宅購入をおすすめします。

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