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実家を相続したら?

不動産業界で働く私がシミュレーションで導いた!相続した実家の売却計画

ゆくゆくは実家を相続するかもしれない皆様、その後実家をどうするか考えていますか?

私の場合、3人姉妹の長女ですでに実家を出ており、現在実家に住んでいる妹たちも女性ということもあって、将来的には姉妹全員が実家を出る可能性があります。実家の相続が発生しても、姉妹を含めた親族が誰も実家を住み継がないとなれば売却するしかありません。

そこで、今回はいずれ来る相続に備えて、「不動産会社勤めの私が考える実家売却シミュレーション」を行いました。

いままさに同じ境遇の方、または将来的に同じ境遇になる方はぜひ参考にしていただき、ご自身の場合はどうしたいか考えるきっかけにしていただけると嬉しいです。

高く売る?早く売る?

実家を相続したら?

相続した実家を売却することになれば、
遺品整理・掃除 → 査定・会社選定 → 媒介契約 → 売買契約 → 決済・引渡し
という流れで進める必要があります。

もし姉妹全員が遠方に住んでいたら、休日の合間を縫ってこれらをこなすのは結構大変です。そうなると「なるべく早く売ってしまいたい」という気持ちになります。

不動産売却においては、「高く売る」か「早く売る」かが売り方を左右することを考えると、私の場合は「早く売る」を目標に計画を組むと良さそうです。

《不動産会社スタッフとしての見方》
不動産は相場である程度売却価格が決まります。そのため相場より高く売るためには、相場より高い価格で買ってくれる方が奇跡的に見つかるかどうかの運次第と言えます。つまり、売主個人ではあまりどうすることもできないということです。
いつ売れるかわからず運任せで「高く売る」より、「早く売る」ほうが個人で努力のしがいもある…と私の場合は思いました。

でも、不動産の売却はあまり経験できないことなので、「高く売る」施策も試してみたいのが本音です。
いつまでに売るか期限を明確にして「早く売る」を優先としつつ、それまでは「高く売る」も試みることにします。

固定資産税の基準日までに売却を目指してスケジュールを立てる

実家を相続したら?

不動産を相続すると固定資産税や都市計画税が発生します。これらは毎年1月1日の所有者が納税対象者となるため、「相続したらなるべく1月1日を越さないようにしたい」という思いが出てきます。

そこで、「相続した年の年末まで」を期限にした場合の売却スケジュールを立ててみます。
※仮に1年の中で1月に相続したことを前提に組んでみます。

1月スタート
①2月まで:遺品整理・掃除/査定・会社選び
②3月~6月:専任媒介で販売活動
③7月~10月:一般媒介に切り替え
④11月~12月:業者買取の手続きを進めて売却完了
12月ゴール

ざっくりとこの4段階で進められれば、「早く売る」を優先にしつつ「高く売る」も試みることができそうです。

不動産会社に販売活動の仲介を依頼する媒介契約※1 は、3か月ごとに更新することが一般的です。これを基準にスケジュールを逆算すると、10月末までは「高く売る」ための買い手探しに取り組めそうです。

①2月末までに販売活動の準備を整える
②6月末までは1社に専任媒介※2 を依頼してみる
③それで売れなければ一般媒介※3 に切り替え、10月末まで複数の不動産会社に販売活動を依頼する
という流れです。

■ お役立ちメモ!不動産の専門用語
※1 媒介契約
不動産を売買したいときに、買主または売主を見つけてもらうように不動産会社に依頼する際に結ぶ契約のこと。専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。
※2専任媒介契約
1社の不動産会社のみに依頼でき、売主自ら買主を見つけて契約することもできる契約。契約期間は3か月以内と法律で定められている。
※3一般媒介契約
同時に複数の不動産会社に依頼可能、売主自ら買主を見つけて契約することもできる契約。契約期間は法律上では定められていないが、一般的に3か月が目安。

《不動産会社スタッフとしての見方》
読者の方の中には、「なぜ1社にしか依頼できない専任媒介を結ぶの?」「一気に複数の会社に依頼したほうが早く売れるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

専任媒介を依頼する理由は、“不動産会社が優先的に売ろうとしてくれるから”です。
専任媒介を結んだ会社が買主を見つけた場合、依頼した売主(この場合は私)と購入希望の買主の両方から仲介手数料を受け取ることができます。これは不動産会社からすると美味しい話です。そのため似たような条件の物件を探している人がいる場合に、私の実家を優先的に紹介してもらえる可能性が高くなります。

また、専任媒介の依頼先には“信頼できる地元の不動産会社”に依頼しましょう。
理由は、大手不動産会社と比べると専任媒介を受けている物件が少ないからです。大手の会社は複数の専任媒介を抱えており、その中で私の実家が優先的に紹介してもらえるかは未知数です。一方で地元の会社であれば、抱えている専任媒介の物件が少ないため、積極的に販売活動を行ってくれる可能性が高いと考えています。

もし、10月末までに①~③で挙げた販売活動を行っても買い手が付かなかったら、あと2か月で売らなくてはなりません。大急ぎで④の年内に買い取ってくれる不動産会社に買取依頼を行います。

買取とは、買主を見つけてもらう通常の売却方法とは異なり、不動産会社が買主となって直接物件を買い取るものです。間に仲介する者がいないため仲介手数料はなく、購入希望者を見つける必要がないため時短が期待できる方法です。

物件を買い取った不動産会社は、その後に販売して利益を得ることを想定としています。そのため買取の段階では、相場より安く買い取るケースがほとんどです。

しかし、弊社イーコンセプトでも「最短10日で現金化」とうたっているように、確実に年内に売りたいならこれ以上の方法はないように思います。

――これで晴れて年内に売却完了です!

かなり詰め込んだスケジュールではありますが、通常の売却活動を依頼する不動産会社にもこのスケジュールで進めたいと事前に話しておけば、スムーズかつ積極的に販売活動を進めてもらえるように思います。

…と、ここで上記のスケジュールを見返すと、①の「遺品整理・掃除」や「会社選定」が一番大変なのでは?と思えてきました。
では、事前に対策を考えてみます。

大型家具や建物はそのままで大丈夫と言ってくれる会社を選びたい

実家を相続したら?

仮にこのスケジュールで進める場合は、両親が亡くなったら遺品整理と簡単な掃除はできるだけ早く着手しておきたいところです。
そして一気に複数社に仲介と買取査定を依頼し、上記のスケジュールに協力してくれる会社を選んでいくと良さそうです。最低でも、地元の会社・大手・買取専門の会社の計3社とは話を進めておきたいところです。

また、ここまで考えてみると、一番の遺品となり得るのは“実家の建物そのもの”では?と思えてきました。仮に20年後に相続した場合は築40年近く。改修すればまだ住めそうなものの資産価値はゼロになっている頃です。

しかし解体業者を探して解体し終わるまでに3か月程度かかることを考えると、「早く売りたい」という方針からは外れてしまうため、更地にして土地を売ることはできるだけ避けたいです。

そうなると、会社選びにおいては「解体費用分として査定価格が安くなっても、建物付きで売却をサポートしてくれること」が明確な基準となりそうです。

さらに言えば、たんすなどの大型家具はそのまま残しておいても大丈夫、または有料であっても回収まで手配してくれる会社であればなお嬉しいですね。

業者買取が輝いて見える!

今回一通り実家の売却までの流れを考えてみて、とても手間と労力がかかるライフイベントだと感じました。上記のスケジュールは結構詰め込んでいますし、実際は想定外のこともたくさんあると思います。

手間と労力を軽減するためには、両親が亡くなったら実家はどうするか、誰が相続するか、高く売るか早く売るかなどの方針を、今からでも家族と話しておくことが大事だと思いました。

また、私のように早く売りたい・できるだけ手間をかけたくないという人にとっては、不動産会社が直接買い取ってくれる業者買取が最適解のように思いました。現在、建物もそのままの状況で買い取って再販する企業が人気なのは、同じように考える方が多いからでしょう。自分事としてシミュレーションしてみると、業者買取の良さが身に染みて感じられました。

今後の日本ではますます都市への人口集中が増加するとも言われており、田舎の実家を売却する方もどんどん増えることが推測されます。私たち姉妹が相続するころに、不動産の売却方法がどんな進化を遂げているかが楽しみです。

そして今まさに実家の売却をお考えの読者の方は、弊社イーコンセプトでも買い取りを行っておりますのでぜひご相談ください。もしご相談の際に「ブログ読みました」と伝えていただけましたら、私から営業担当者にできるだけ良いご提案をしてほしいと一言添えさせていただきます…!

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